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Zoom月例会(5/16)の報告

2020年5月16日(土)15:00-17:00

2回目となるZoom月例会。33名参加。
参加者間で遠隔授業の試行錯誤を共有した。

◆はじめに Iさんが実践を紹介してくれた。

1) 講義科目では、5分程度の動画をいくつか Youtubeに置いて見せ、 googleフォーム(記述式・長文)に考えを書いてもらう形式にしている。2) 講読科目では『フランコフォニーへの旅』(小松, Delmaire, 駿河台出版社)の長文を各自で読み、付属の問題をレポートとして提出させている。解説の動画も作成して見せている。3) フランス語の授業では、会話の音声を聞いて練習をしてもらう時間とzoomの時間を並行し、zoomは5人ずつのセッションにする予定(例会時点では未実施)。

いずれも、Webclass(LMS)で指示をしているが、スマホで見る学生に配慮して、1ウィンドウで作業できるように工夫し、またパワーポイントのスライド数を例年より増やして、文字ポイントが小さくならないように気をつけている。ここまで技術的・通信上のトラブルはない。課題実施の時間帯(時間割どおりか否か)や課題締切について大学からの指定はないので、 Iさんは課題の内容により、指示の翌日〜3、4日後を締切にしている。

以上の実践例に対して例会参加者からは、課題教材作成にかかる時間や、学生のリアクションへの対応方法等について質問があった。Iさんは、技術的には慣れたが、対面式の授業内容を遠隔用に修正するのには時間がかかると感じている。また、学生の反応を見てから翌週の動画を作ることにしていて、動画のなかに質問への回答等を入れるそうだ。

◆次に、Cさんの話を聞いた。Cさんの勤務校では学生にも教員にもLMSアクセス時間の制限がある。そのため使い勝手がよくないと感じていて、CさんはブログとメールとグループLINEを利用して授業案内をしている。授業の3日前に指示をアップする。LINEは、メールを見ない・見られない学生のための保険として利用。ビデオ通話の授業は37名を3分割して行っている。細かな指導をするためだが、ペアワークやグループワークは未実施で、ビデオ通話で学生間の関係性を深めるためにどのようなオーガナイズをすればよいか検討中である。ブレイクアウトセッションでは画像や音声の質が下がることに不安を感じている。

◆ふたりの報告をきっかけに、例会参加者全体に対する質問やアイディア交換がしだいに活発になった。ブレイクアウトセッション4名ずつの時間も設けられた。次のようなアイディアがあがった。

○オンライン会話練習や学生から音声を送ってもらう方法として:ボイスメモ(AndroidならASA)をメール添付で送ってもらう;Flipgridで動画を撮りアップしてもらう;LINE オープンチャットの非公開グループに投稿してもらう;Box(オンラインストレージ)に音声レポートを提出してもらう。
○手書きのノートの写真を送ってもらっている。手で書くことも大切だと思うから。
○音声や動画の提示は、Googleドライブにおき、 Googleドキュメントにリンクを示している。
○ビデオ会議の顔出しは学生に強要してはいけないが、少人数制にしたり、事前に予告しておく等工夫をすれば、学生間の関係づくりに役立つ。
○ビデオ会議の出席を取るなら、教員宛のプライベートチャットに名前を書かせて保存している。大人数講義でもビデオ会議60分+課題30分の形式で行っている。進行は前日までにLMSで知らせる。

◆サバティカル中で遠隔授業を体験していないMさんから、遠隔と対面のそれぞれの良さは?という質問が出た。

- 遠隔のよさとして、次のような意見があった。

○講義科目は、遠隔の課題のほうがまじめに取り組んでくれる。十分に考えて書いてくれる。
○スマホでも PCでもフランス語入力を覚えてくれた。
○クラスを分けて90分のなかで交代制で個人作業+クラス・グループ活動を行うのは、対面の教室ではできない。
○遠隔の方法を考えながら、自分の授業のやり方を見直すよい機会になっている。チームティーチングは、各教員の工夫がちがうので刺激しあえる。
○遠隔なら気軽にのぞく感覚で登録のハードルが下がるためか、フランス語履修者が微増した。

- 遠隔で困ったこと、困っていること、不安な点としては、以下があがった。

○5つの非常勤先がそれぞれ異なるLMSなので、予想以上に時間がかかる。
○LMS等で学生の質問・コメントに深夜まで対応しなければいけない?
○学生への周知がうまくいかず、初回に来られない学生がいた。
○通信環境のせいで、ビデオ会議の画像や音声にずれが起こることがある。
○学生の通信環境への配慮からリアルタイムビデオ会議を行なっていない大学もあるが、リアルタイムの部分の重要性を意識した授業作りをしたほうがよい。オンデマンドの課題で済んでしまうなら人員削減が行われる可能性がある。

ひと月前の例会では参加者は情報を集めることに注力している印象があったが、今回は自分の実践経験をアウトプットしたい気持ちが高まっている感じがした。来月にはさらに創造的なアイディアが集まるのかも。
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5月16日月例会のお誘い

次回月例会のご案内です。Zoomを利用するため事前申込のない方は参加できませんので、ご注意ください。

テーマ:オンライン教育の取り組みについて
日時:2020年5月16日(土)15:00 - 17:00
事前申込フォーム:https://forms.gle/7vyCNkFj85C6EVvU7(5月15日24時締切)

※ 当日、画面共有の可能な方はLMSの画面や教材などを見せながら簡単な実践報告ができるようご準備をお願いします。

※ セキュリティの関係上、事前申込をされた方にのみ参加URLとパスワードをお送りします。Zoomを使用したことのない方も、後日お送りするミーティングURLをクリックしていただき、画面の指示にしたがえば簡単に参加できますが、事前に設定をしておかれることをおすすめします。マイク、カメラが使用できるかもご確認ください。