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Zoom月例会(8/1)の報告

テーマ:「遠隔授業実践からの学び―今後も活かせることは 」
日時:2020年8月1日(土)15:00 - 17:00
参加者:23名(セキュリティのため事前申込の方のみに参加URLを送信)

【会の進行】
ブレイクアウトセッション(全5グループ)20分+意見共有20分、を2回行った。
1回目セッション:遠隔授業実践をひと学期終えてみての感想・反省点(20分)
2回目セッション:遠隔授業実践の改善点・今後に向けて(20分)

【1回目セッション:「遠隔授業実践をひと学期終えてみての感想・反省点」の報告】
●1班
・発音スキル(綴りの読み方の習得)が上がった(音声のみでやりとりしたりするから)
・出席率が上がり、ドロップアウトも少なかった
・話す、書くの指導は難しかった
・1年生は「勉強した感がある」との感想/他方、コミュニケーションはZOOM越しでは難しい(指名に時間がかかったりする)/インタラクションのバリエーションが増やせない
・2年生はむしろ文化的なコンテンツがうまく機能した
・電子教材は本格的な利用には今少し研究が必要/TV5MONDEのapprendreにあるtranscriptionは著作権の問題もなくうまく使えた教材のひとつ
(質問)対面よりもオンラインのほうが発音はよくなった(他の第二外国語でもそう)

●2班
・学習者の年齢層が高いとインフラの問題が生じやすい(例:機械の知識によって、音量が揃いにくいなど)。
・6月時点で高校で既にZOOMを使っていた高校があったが、7月から3密を避けた対面になったとのこと。
・筆記テストでは、パソコンで予測変換がでてしまうのでアプリは使いにくく、むしろプリントアウトさせて答案を書かせ、それを写真に撮って提出させるのが有効。

●3班
・科目運営担当として、30人近い教員のサポートに追われ、自分の授業では文書配布型で精いっぱい。
・大学の方針がはっきりせず苦戦した。うまくいかないことが大学ではなく科目担当者の責となる現実がつらい。
・実はZOOMで最初から最後までやっていいのなら、後期はそうしてみようかと思う。
・教場では学生の声の小ささが気になるが、双方向型で行うとマイクが拾うのでその心配はなくなる。

●4班
・資料提示型は時間に縛られないし、学生数によってやり方を変えなくてよい。ただし準備は大変だし、学生が学習ありきではなく課題提出ありきの「楽」をしようとする弊害や、特にやる気のある学生への配慮が難しくもあった。
・回線が落ちるのをさけるため双方向型は避け、かわりにライブ感あるexplain educationというアプリを使った。
・今後、教員も学生も息切れしないようにする(課題過多を避けるなど)ことが大切。
・ZOOM一本で全授業を行ってうまく行った。ただし、進度は遅れたし、身体感覚が対面授業とは違うとは思った。

●5班
・遠隔は課題提出が基本となり、ほとんどの学生がきちんと出してくるが、これを予習としてZOOMの授業に臨む意識のある学生とそうでない学生との間で差が出る(できる学習者がよりできるようになるということでもある)。
・ZOOMのインタラクションは少人数では有効。ただし人数が多いと反応の悪い学生が出るので工夫が必要。
・学生との一対一のコミュニケーションは対面よりは取りにくい。学生は義務はこなしても、「自由に質問においで」と言ってもさっぱりやってこなかったりするのが、対面でないことの難点。

【第1回セッション質疑・コメント】
・資料配信で「うまくいかなかった」だけでなく「よかった」という箇所もあったのではないか? ⇒自分の力でできること、課題が少なくて楽、という意見のみ。ZOOM併用をすることで、資料配信の良さを引き出せるのではないか。
・explain educationは有料アプリだが、教員だけが買えばよいのかどうか? ⇒教員だけでOK
・文科省から「オンデマンドでは双方向性が担保できない」と言われぬよう、掲示板などを活用した事例はあるか? 
⇒ZOOMで上位学年による相談所を開設したりもしたが、学生は自発的に利用しない。呼び込む工夫が必要。

【2回目セッション:「遠隔授業実践の改善点・今後に向けて」の報告】

●1班
・ハイブリッド型授業(ZOOM×オンデマンドや、対面×オンデマンドなど)と、双方向ライブ授業(ZOOM等)のいずれかが継続されることになろう。そのために大学や学生との情報すり合わせは必要。
・対面では可能だった教員⇔学生のコミュニケーションに代わる工夫(事前アンケートの項目の工夫や、ちょっとした冗談などを入れてもらうなど)が求められる。
・授業後、ZOOMのブレイクアウトルームを一つだけ残して置くことで、「教員がその場にいない教室」作った。これで学生⇔学生のつながりを作ることができた。

●2班
・前期でインフラに関する確認はできたので、秋からは課題を出しかつZOOMを用いた反転授業を行えそう。
・ZOOM仕様の授業での学生の満足度が高かった。「教室=仲間を作る場所」をどう実現するかがカギとなる。
・課題を事前にUPする際、学生への指示を明確にすることで、ZOOM授業はスムーズになるもの。
・大学からチャットのグループを作れる仕組みをもらった。これで授業時間外に学生間グループワークが可能に。

●3班
・50分でオンライン 50分で対面の授業とするか?(これで授業時間確保とみなしてもらえるのかは別途問題)
・語学は今後、オンデマンド(通信教育的なもの)が主流になるのでは? 
・ただしオンデマンドは学生の様子が見えにくい。実家など地方からの受講や、学生の孤立の問題をどうするか。
・ある大学で、対面授業を録画し編集してビデオにする企画あり。ただし技術スタッフが別途必要。
・従来叫ばれてきた「大学生に勉強させよ」の問題は解決どころか、今はむしろ課題量を前に学生が疲弊していることが見えてきた。学生の学びを無理なく維持する仕組みを大学として全体を今一度眺める直すべき。
  
●4班
・ポジティヴな面
遠隔授業スキルが向上したので、今後の対面授業でも補助教材作成に活かせる。
Zoomだと学生は「応え」ざるを得なくなるので、結果的に授業参加度が上がる。
学生の反応が良い → 出席率が良い → 授業を重ねる度に向上 → 声の小さい学生も、参加できている。
・ネガティブな面
インフラ面の不安定さ。春学期後半、回線が落ちて欠席という学生も出てきた。秋学期もこの問題は続くだろう。 
身体的なインタラクションができない。
大人数のクラスではオンライン授業の運営が難しい。
・どんなアプリを使う?
Zoom、Google meet、LINE、etc.
なお、筆記試験はクラシカルな方法でやるのがよい。
・【質疑・コメント】春の時点でインフラを整えるために学生が見切り発車的に契約したもの(wifiの数年契約など)の解約等の問題も、教員がある程度把握している必要はあるのではないか。

●5班
・今後はZOOMのみの授業も。特に語学学校などでは地域を限定せずに授業参加者を募れるのは良いことだ。
・大学経営の立場からすると、科目担当者が「遠隔でよい」と言ってしまえば、コマ数削減や設備費返却の議論につながってしまわないか。
・大学の時間割上対面の科目と、遠隔の科目が両方あったりすると、学生は大学にいるままにどこで遠隔授業を受けるのか、端末はどうするのかなどの問題も出てくる。
・大学経営、科目維持の観点から見ても、教師は科目のコーディネーターであることを念頭に置き、大学だからこそ、語学は専門教育のベースとしてただ知識提供だけにとどまらぬ、みんなで学びあえるという自覚で授業の包括的なプランニングをすることが求められるだろう。大学の語学は「一括してオンデマンドで外注」では済まされない。

【2回目セッション質疑・コメント】
・授業に文化的なことを盛り込んでうまく行ったケースを知りたい。
→旅に関するゲストスピーカーをオンラインで呼んだ。また、教員が旅で体験したことなどやフランスの日常生活についての情報を話したりした。文化は2回に1回、最後の10分を使用。FBの動画(「19歳で村長に」など)も紹介。
受講姿勢がおとなしくても、そういう情報の紹介ではとても楽しく感じたなどの感想が多く得られた。
→教科書から離れた文化面のコーナーを入れて感想をもらうことで、学生のまた異なる視点や興味を知れる。
→授業の前に先に「今週のシャンソン」をかける。早めに接続する学生は同じ曲を何度も聴けることになり動機づけになる。「毎週のシャンソンが一番楽しみ」という学生もいた。
→授業前の「無駄な時間」で、ラジオDJのようにフランスの情報をなんとなく話すことで学生が興味を持つ。
・フランスに留学できる、旅行できる見通しがつかないなか、学生にどう動機づけを持たせるか。
→今現在、シェンゲン自体は日本からの渡航者には開いている。ただ、安全面も加味しつついかに渡航を大学が推奨するか否かが問題となるだろう。
→2020年秋から全面オンライン授業とするという大学がフランスですでに出ている。教室でではない授業を受けることがいかに「留学」と呼べるのか改めて考える必要がある。
→感染症拡大の時代はやがて終わるので「いつかは行ける」と学生に言い続けることも必要なはず。
→遠隔授業づくりはすでに始まっているのだから、後戻りするよりも、世界が動いているという発想に立ちたいもの。
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